2007年11月11日日曜日

なぜそれを重要だと感じているのか?

アメリカで『ザ・シークレット』が大流行しているのと同様、ロシア・東欧圏では願望実現の秘密を明かした『リアリティ・トランサーフィン』がベストセラーになっている。

著者はロシアの 元物理学者ヴァジム・ゼランドで、天啓に導かれて得られた知見を、やはり現代の神話である『科学』のコトバを用いて展開する。

類書と違うところは、妄信的にポジティブイメージやポジティブな言霊を使うのではなく、ネガティブな面を直視しようとする。

彼の宇宙モデルは多次元構造論(パラレルワールド)で、世界は「事象の鋳型が無限に詰まった情報フィールド」であり、ある部分に意識(エネルギー)が当たる事で、現象化=物質化するという。

すなわち、リアリティ(現実)の現れ方には、無限の可能性が潜在していて、一旦、出発点が選ばれると、そこから因果関係のドミノが反応し始め、次々と物事が現実化していくということらしい。

誰もが、レストランでメニューを指さして注文する料理を選ぶように、気軽に「運命ライン」を選び取っており、しかも、外部からの強い影響を受けて、欲しくもない料理(運命)を、選び取らされていると言う。

ゼランドのモデルによると、同じようなことを考えている人々の放射する思考エネルギーは共鳴しあって、 独立した振動体=エネルギー情報体=振り子 を形成している。「振り子」は、自らの意志を持つ生き物のように動き、他の人間達の思考にゆさ振りをかけて感情を撹乱し、そこからエネルギーを吸い上げる。 

この辺りは 実におもしろい。 

蟻や蜂、あるいは、粘菌などの生物のグループが、あたかもグループとしての独立した精神と利害を持ち、個を拘束しているとしか見えない事実は、これまであらゆる合理的な説明を拒否してきた

ゼランドの説明が合理的なのかどうかは別にして、粘菌のコロニーから官僚組織 にいたる、 『グループ』というものの持つ独特の性格を 一括して説明しようとする観点そのものがおもしろい。

このグループ精神(振り子)の影響を回避するには、特定の思考に重要性を与えないようにするしかないと言う。 

また、思考が、何かに大きな意義を与えて「重要性」を高めると、「振り子」との親和性が高まるだけではなく、エネルギー場の不平衡(アンバランス)=過剰ポテンシャル が発生する。と同時に、エネルギー場には、このアンバランスを解消しようとする復元力が発生する。

すなわち、過剰ポテンシャルを発生させる人は、宇宙(エネルギー場)を敵に回すことになる。

そして、このバランス復元力(平衡力)を相手に闘う時に生じる、激しい感情の動き。それこそは 彼ら(振り子)にとってのご馳走に他ならず、それゆえに、「意義」や「願望」などの幻想を人間に押しつけてる。

これら「振り子」は、「空っぽ」の人間に対しては、影響を与えたり、エネルギーを吸い取ったりする事が出来ないらしい。

空っぽ とは ネガティブ思考の極みのことである。

6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

何だか仏教の教えに似ているような感じがしますよね。(^^)

pukapuka さんのコメント...

ザシークレットの種本の著者といわれるウィリアム W アトキンソンは、ニューソート(キリスト教)ですけど、これと同じような発想があるみたいです。アトキンソンはヒンドゥー(ヨーガ)の影響を受ているらしいので、ザ・シークレットもリアリティ・トランサーフィンも、根は同じなのかもしれません。

匿名 さんのコメント...

今日、本屋さんに行ったので、その2冊を探しましたが、さすがに田舎、ありませんでした。

namu さんのコメント...

「空っぽ」が「ネガティブ思考の極み」というのが
妙に面白い。(^^)
せっかく本を読んだのに、最近は振り子を思い浮かべる事を忘れていました。(^o^;;

匿名 さんのコメント...

アトキンソンはヒンドゥー語の名前でヨーガの本を出していたそうです。だから、かなりヒンドゥーの影響は大きいでしょうね。(^^)

pukapuka さんのコメント...

結局のところ、真言密教もザ・シークレットも、ソースは ヒンドゥーですか(^^;

古代アーリアンおそるべし。